2014年11月アーカイブ

ソファの上から

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自分がもし動物園の動物なら、客に「アイツ全然動かんし、つまんねぇ。」と、きっと檻の前は閑散としているに違い無いと思うくらい、昨日からこちら、ほとんどリビングのソファの上から動いていない有り様。交互に襲ってくる倦怠感と眠気に今日は頭痛まで加わり、スイッチの付いていない電気毛布を纏ったまま、眠って目が覚めまた眠りの繰り返し。

煌々と明かりのついたリビングのソファの上。つけっぱなしのTVの音声が飛び込んで来る寸前の耳元でささやいたアナタの声も、どうやら先ほどまで自分が居た脈絡の無い夢の世界の出来事だと自覚するのに、ずいぶんと時間がかかった真夜中。
TVを消し、ソファの上で仰向けになったまま目を閉じ、アナタのささやいた声のしたその夢の出口から脈絡の無い物語を逆に辿りながら、現実の記憶と擦り合わせてゆくけれど、肝心の現実の記憶の方が思い出せない事の方が多く、それはまるで岩に刻んだはずの文字が長い年月の中で風雨にさらされ消えてゆくかのようで、緩やかにでも確実に進んでゆくこの道の先に、きっといつかアナタの声も顔もそして名前すら思い出せない白痴の自分が居るのだろう。

ま、その時はどうぞにこやかに「初めまして。」と優しい声でもかけてくれたまえ。
ボクもきっとアナタと初めて逢った時と同じ笑顔で笑うだろうから___。

センチメンタル・ジャーニー

ボクが今居るホテルが建つ前、この土地には大正モダン建築を感じさせる洒落た古い病院が在り、そこにはボクと同じ名字を持つ院長先生がおり、病院の建物の裏手にある保育園に通う、よく腕の関節が抜ける子供で、その度に保育士に付き添われて此処に運ばれていたボクを、同じ名字の院長先生は「またツカサかよ。おまんはほたこえ過ぎじゃ(オマエは暴れ過ぎじゃ)。」と、皺くちゃの笑顔で諭しながら、関節を戻してくれた。


心臓を患った祖父が此処に入院したのは、ボクが丁度小学生に入学する頃で、入学前の休みを利用して見舞いに行った先の病室で、「明後日の夜、此処に泊まりに来るきね。これにパジャマも入れて来るきね、待ちよってよ。」と、買って貰ったばかりの黒いランドセルをベッドの上の祖父に見せながら約束を交わした翌日の晩、容態が急変した祖父は約束を破った事をボクに謝りもせずこの世を去った。


_____ようやく泊まりに来れたちや。


高知城側ではないこの部屋の窓からは、祖父の息子でありボクである父親の墓がある山がすぐ目の前に見え、祖父、父、そしてボクと、博打好きな三人の魂が夕暮れに集うホテルパックな帰省初日。


BGMはビートルズのリンゴ・スターのアルバムより『センチメンタル・ジャーニー』____。

壊れかけの(脳ミソと)RADIO

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「高知に帰って来ちゅうがやったら是非出演して宣伝していきや。」


今朝まで居たホテルから実家まで帰るタクシーの車中。ラジオ番組を担当する知人のディレクターからの心優しい計らいに二つ返事で快諾をしたものの、三日ほど前から続く睡眠不足に我が脳ミソは程良いフォアグラ状態で、とりあえず身体を休めてから話す事はそれから考えようと、後部座席に身体を沈めたのが生放送4時間前。

実家に帰り仮眠を取るつもりが、緊張のせいか眠る事も出来ず、母に唆されるまま近所のパチンコ屋で打った事もない新台の盤面をボーッと見ながら、寝不足で荒れた喉のケアぐらいはしておこうと、口の中では大粒の飴玉が左右の頬を行ったり来たりするけれど、いかんせんフニャフニャにふやけた脳ミソが何を話そうかとあれこれ考えようとする自分を、今さら背伸びをしても仕様が無しと偉そうに諭すので、諦めたというか何か潔さまで感じたけれど、結局は今居るのはパチンコ屋という時点で限りなく愚か者。


生放送という「言ってはいけない事と限られた時間」にだけ脳ミソの起きている部分を集中させた結果、本番では話の内容がとっ散らかり、パーソナリティの方々にご迷惑をかけたという、やっぱり生放送は怖い、でも自分は今までラジオは生放送しか出た事がないという、情けないお話____。


高知にお住まいの皆様へ
RKC高知ラジオ放送『〜今日も元気に〜 ぱわらじっ!!』
メール紹介コーナーで初めてご紹介されたメールの時にhenssimoの「やっていきちや!」のワンフレーズが流れるので、メールの方どしどしお寄せしちゃって下さいまし。

ボクらに次はまず無いけれど

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50年後。
医療技術や科学技術の発展は、こんな不摂生な暮らしを重ねるボクらの命までも生き永らえさせるのだろうか。


「その頃はもう身体のほとんどが機械で、ひょっとしたら足にキャタピラとか付いちょって、此処の石階段もスイスイ上れるかもしれんでね。」


BARのオーナーでもあり昼の陽射しと縁遠い同級生と並び上る寺の石階段。
そんな小学生低学年レベルの空想でしか「自分らにはまず無い未来」を語れぬ哀しきオヤジ二人のすぐ背後で、彼と同じBARで勤務する、ボクらより歳がひと回り以上も下の女店長が鼻で笑う。
季節外れの暖かい陽気だけが背中を優しくさすってくれるも、そんな年寄りに対する労りも邪魔くさい。ボクらはまだまだ頑張れるっちゅーの。ま、騙し騙しではあるけれど______。


あと20日も経てば、次は50年後の春にしかお目にかかれない文殊菩薩像を秘仏本尊とする竹林寺(高知市五台山・四国霊場三十一番札所)の本堂の前にて。

親不孝とカマキリ

「死んで35年も経ったら、アタシももうお暇をもろーてもえい頃やと思うけんどねぇ。」


季節外れのポカポカ陽気を含んだ陽射しがが山の斜面を照らす朝。
35年前の今日と同じ日に急逝した旦那の思い出を語りながら、墓前で雑草をむしる母の背中は年々小さくなる。


「息子ら二人が早く一人前に成るように見守っちゃって下さいね。」
雑草を抜き終え、墓に線香を手向け手を合わせる小ちゃな母に、この歳になってもそんな事を言わせる親不孝者の傍で、雑草の寝床を無くしたカマキリが笑う立冬_____。

ま、多少汚れや傷は目立ちますけれど

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表彰状。トミオカ ツカサ殿。
アナタはとても真っ直ぐで、今の私からすれば、思わず貰い泣きしてしまいそうなほどそれはそれは健気なので、ここに表彰いたしマース。


立ち昇るタバコの煙の向こう側で昔からの友人が話す思い出話の中、まるでいとも容易く壊れそうなガラス細工の一面に映るその少年が、清濁併せ呑む事をも厭わなくなった中年親父の方を睨んでいるけれど、「オレのはオマエのそれよりもぶっといぞ坊や。」と、涼しい笑みを返す事が果たしてそれが良いのか悪いのかは、この先まだまだ生きてみないと答えも見つからないだろうと。


曲はhenssimoで『キラキラ』______。

我慢を覚えて失くしたモノ

帰省しても解消されぬ睡眠不足のせいで、昼間から父の仏壇の前で横になりながらも、薄目を開けて見守るその視線の先。
先ほどまであれほど元気によろけながら部屋中を走り回っていたにもかかわらず、自分用の小さな椅子の手摺りに掴まり立ちをしたまま微動だにしない甥っ子サード(1歳7ヶ月)は、少しだけその小ちゃな眉間に皺を寄せ、何処を見ているわけでもないその視線を、寝たふりをしているコチラの存在を多少は気にはしながらも、まるで何かに想いを馳せる哲学者のように空中の一点をみつめながら、時折、鼻の奥でフゥーンという微かな唸り声を立て、その度に椅子の手摺りを握るその小ちゃな両手にグゥッとさらに力を込めている。


暫くして、こちらにまで一種の達成感というか安堵感が伝わるぐらいのそれはそれは深いため息を彼がつくまでの、まるで独り芝居の中の一幕のような光景を、薄目で存分に見た後、彼を驚かせぬようゆっくり起き上がり、彼の小さな手を曳き、達成感ゆえか既に無抵抗なレジスタンスのようにおとなしく風呂場まで連行された彼の、尻の部分がモコモコに膨らんだズボンを脱がせ、同じく膨らんだ紙オムツを剥がし、お湯で湿らせたタオルで彼のスベスベの尻やら股間やらに付着した物を綺麗に取り除きながら、立ってするのはそんなに気持ちの良いものか、伯父さんはもう久しくしていないので試しに今度してみようと思うが、それにはまず大人用の紙オムツが必要だと、コチラになすがままにされながらも、まださっきまでの余韻を楽しんでいるかのような彼の瞳に語りかける雨の日曜日____。

同じ場所に居るその意味

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今年2月にパンコール島で知り合った若いご夫婦と、先日都内で再会。
パンコール島でボクに話してくれた「誰もが楽しく食事が出来る店を二人で始める。」という夢が来月ついに現実になるらしく、その準備の為に東京まで買い出しに来た二人と食事をし、いつか二人の店でボクがライブをする約束を交わし、調理器具やら食器を提げて高速バスに乗り込む二人を見送った。

Facebook上では、昨年パンコール島で知り合った20代のカップルがめでたくゴールイン。彼女より年下だったまだ幼さの残る笑顔の元警察官のその彼氏は、島でボクに語ってくれた通り、並々ならぬ努力をして消防士に転職し、彼女にプロポーズしたらしい。末永くお幸せに。

その他にもパンコール島で知り合った後に、今でも付き合ってくれている多くの友人・知人たちもそれぞれの場所で自身の次のステップに向けて日々頑張っている。
_____え? オイラかい?
オイラは、やっぱりあの場所で、次に夢を語ってくれる旅人を島の仲間たちと笑顔で迎え、そしてやっぱり笑顔で見送るだけさ。
まるで人生ゲームの盤面の上で、同じマス目でたまたま出逢った駒たちが次のコースへ移って行くのを見送っては、自分は同じコースをマイペースで堂々巡りみたいな感じで。そんな自分を大目に見てくれている心優しき家族や仲間に感謝しながら。

っつー事で、本格的な寒さがやってくる前に今冬も行くよパンコール____。

テクテクtake it easy

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____前回からの続き

預金残高の乏しさに加え、最近の円安の影響で資金不足の不安は多々あれど、そんな事には目をつぶろう。つぶったままでポチッとな。はい、飛行機の予約完了。

動けるうちが華ならば
動けぬ足もと憂うより
ひとまず右足前に出し
あとは左で蹴れば良い

と言うことで来月21日より寒い寒い日本を留守にいたします。毎年の事ながら関係各所には多大なご迷惑をおかけします事何卒ご了承下さいませませ、ペコリ___。

これは・・・風邪ですな

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くしゃみ1回は良い噂、2回は悪い噂という。
なんとか1回で踏みとどまりたいのだけれど、そんな努力虚しく1回目のそれより豪快な2回目がヘクショーン!!と、そしてさらに特大なヤツがヘクショーーーーン!!と、3回ワンセットのくしゃみにここ数日見舞われている。くしゃみ3回は何だろうね?と思い調べてみたら、「誰かに惚れられている」。

ほほぉ___。
たとえそれが迷信であろうが都市伝説であろうが、そんな前向きな考え、オジサンは大好きだぞ。丁度、花園神社で行われている酉の市に晩飯代わりになる物でも探しに行こうか。ひょっとしたらその屋台の店先で、たったひとつ残った牛串焼きに同時に重なる手と手。思わずサッと引いたその白く細い指の先に運命の出逢いがあるかもしれぬ、そして二人は・・・。

妄想劇場のクライマックスシーンに思わず呼吸を止めた左の鼻の穴の奥をツツーッと垂れるその感触に、出掛けるのも止めて電気毛布にくるまりミノムシ状態で天井をみつめる視界の端で鼻に詰めたティッシュの先が揺れる金曜日。
BGMはDean Mirtinで「誰かが誰かを愛している」Everybody Loves Somebody___。

ゆるり

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来月末に国際交流館で開催されるWILD音楽祭EXTRA(つのだ☆ひろ氏主催)で「ツカサくんに唄ってもらう予定だった曲が4、5曲あったのに〜。」という社長兼奥方からの有り難い苦情メールに「不器用ですから。」と、先日亡くなった高倉健さんに似せて頭を下げながら、ゆるりゆるりと日本脱出の準備を始めている土曜日。

ライブの予定もしばらく無いのに、楽器が埃を被っているとやっぱり不安になるもので、しばらく張り替えていなかったギターの弦を替える最中にも、ふとアナタを思い出すのはきっと傍に置きっぱなしのヘッドフォンから流れる昭和の歌謡曲のせいだろう___。

魔除け?

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生活習慣を変えようと年甲斐もなく徹夜をしたその日の夜、案の定、そこら辺のお年寄りよりも早くベッドに潜り込んでしまったボクの携帯に届いた写真付きメールに気づいたのは目が覚めた翌朝早朝の事だった。

ここでその写真を直接掲載するのは肖像権に抵触するおそれがあるので、ササッと書いた簡単なイラストを添えて説明をするね。それがこちら。

2014.11.28.jpg
メールタイトル「イアン・ペース銀座スゥイング乱入」

日頃お世話になっている皆さんもご存じのつのだ☆ひろ氏(左)と、「スモーク オン ザ ウォーター」など世界的にも有名なロックバンド・ディープパープルのドラマーであるイアン・ペース氏(右)、所謂、ドラマー同士のツーショット写真なのだけれど、この写メを送ってきた送り主の意図が未だわからぬ。意図のわからぬメールが届くのは恐怖新聞が届く次ぐらいに怖い____。

風来坊の言い理由

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旅は良い。
慣れない土地で迷子になったり、慣れない言語に戸惑ったり、食べ物が自分の味覚に合わなかったとしてもなんとか食べてみようと努力をしてみたり、移動中に襲う睡魔や軽い体調不良と闘いながらも車中からの景色をその目に焼き付けようと頑張ったり、自分の経験不足で起こるハプニングの数々も、たとえそれが怪我や病気であったとしても、その時の景色も音も匂いもその全てがダイナミックに脳幹にまで響いて来る。

来月21日から出発するマレーシア・パンコール島への渡航も今回で14?15度目?と、10度目を超えたぐらいから記憶も曖昧なほどで、クアラ・ルンプール国際空港について翌日に島の定宿の門をくぐるまでの間、言葉に困る事もなければ道に迷う事もなく、食事をする場所から乗り物のチケットの買い方までなにひとつ滞る事もない、敢えて心配するなら加齢による自身の体調管理だけなのだけれど、万が一病気になってもだいたいの病院も把握しているので、やっぱりこれは旅ではなく里帰りなのだよ。都内の自分が行き慣れていない場所に行く時の方がよっぽどドキドキする。

正直、現地の友人たちへの土産でさらに重くなったバッグを引き摺った状態でのこの部屋からあの島までの、もうドキドキもしない景色を含む道程の長さを考えるに、ときめきよりもため息の方が出てしまう今回の越冬も、始めに書いたような様々な経験をそれはそれは見事にというか無様に積み重ねた過程があってのため息であり、周りには「慣れすぎた場所で金も時間も使った上にタダ働きとか、いったい何をしに行っているの?」とよく聞かれるけれど、自分にとってのパンコール島は以前にも書いたように(「週末の土産話」2014年4月)、「つまらないけど幸せな時間」を実感出来る大切な場所のひとつなのだよ____。

2014.11.29.jpg

MTBlog50c2BetaInner

プロフィール

冨岡ツカサ
職業:旅人
もといミュージシャン
マレー語,小型ボート操船

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