2014年2月アーカイブ

全然めでたくなんかない

いよいよ昨日から始まった魔の旧正月ウィーク。南北4.5km、東西2kmほどの小さな島に住んでいる島民だけでも6万5千人(公称)もいて、ただでさえパンパン気味な割りに普段のビーチが静かなのは、日焼けを嫌うマレー人気質に加え海に出る人の数は限られており、マリンスポーツ業、漁師、そして日焼け好きな旅行者ぐらいしかいないからであって、それが昨日1日だけでも2万人以上の観光客が入島していて、その全てが海で遊ぶのが目的なわけで、島のあらゆるビーチが人で埋め尽くされている。


普段ボクのいるニッパー・ビーチの浜辺も海岸通りも人、人、人だらけ。道路に溢れた人々のせいで道幅が狭くなったその間をピンク色のワゴンタクシーが次から次へと満杯の客を運び、その後ろには音だけがデカイ陳腐なバイクが長蛇の列をなしていたりして、それらが双方向に行き交うものだから、海岸通付近はそれらの騒音と、不燃焼気味の白い排気ガスで日中ずっと曇っている。

そのすぐ傍らのテントの下で客を引くボート屋のメンバー。海岸で客を引くという理由で浜辺に逃げる者が続出。かと言って、お客さんの履き物やゴーグル、シュノーケルなどが盗まれる畏れがあるので誰か1人はその場に居なくてはならず、毎年だいたいはボクが見張り役でその場に取り残されるので、今年はうまい具合に逃げてはいるのだけれど、やっぱり見張り役になる場面も多く、普段は話し相手になってくれる土産屋の店員たちも今だけはずっとというわけにもいかないようで、話し相手の誰も居ない、海も見えない、騒音と排気ガスに満たされたその場所で、あーつまんねぇ旧正月つまんねぇー、と日本語で喚いてみても虚しさが募るばかりの2月の始まり____。

"気儘"の憂い

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拝啓。
こちらはようやく魔の旧正月ウィークも終わり、島のビーチもようやくいつもの静けさを取り戻し、ゆっくりではありますが日毎に透明度を戻してゆく海のその波の音が常に聞こえるその場所で、昼はマレー語の話せる日本人として客寄せパンダ的な匂いを醸しつつ客を引いたり、相変わらず子供達と遊んだり、夜はオンボロギター片手に海岸に面したベンチに腰掛け、島の仲間たちや観光客相手に唄ったり、それはそれは日本で寒風吹きすさぶ中を職場に向かわれる皆様からすれば、なんともまぁ気ままな日々を送っていると思われても仕方無いのですけれど、いえいえ、気ままは気ままなりにいろいろございまして、ボート屋の客引きにおいても、なにぶん、日本語が流暢なデーブスペクターの如く、もう今では誰も喜んでくれないほど発達し過ぎたマレー語に比べ、拙すぎる英会話力というアンバランスな能力に加え、こと相手が美人な欧米人だと、幼稚園児並の言葉がさらにシドロモドロになり、結局は他のスタッフに説明させて、自分はボート屋の隣の屋台に逃げ、其処でトウモロコシを焼いたりするも、また其処でも「焼き過ぎ」という苦笑いを含んだ店の主人の言葉に、結局は役立たずの1日の背中の向こう、水平線に沈む夕陽が日焼けしたうなじ辺りに沁みる此処パンコール島からアナタに愛を込めて、今夜も海岸通りでたくさん唄ったこのボサボサ頭に免じて許してください、かしこ___。

その狡賢さ、この日本人には通じませんよ

ボクが手伝っているボート屋で働くスタッフでもあり、古くからの友人であるジェイボンを、公衆の面前で日本語で怒鳴りつけたというか、怒鳴り散らしたのがかれこれ3日前の事で、日本からの土産で彼にあげた古いデジタルカメラとウォータープルーフも強引に返してもらった。


ここまでするのにはそれなりの理由があり、彼は常日頃から怠け者で極度の女好きで友達に対しても平気で嘘をつき、全て自分自身のために動くという、謂わば典型的なクズである。ただ、周りの者よりも多少コミュニケーション能力に長け、この島に訪れる人の割合が多い欧州をはじめとする各国の言葉を、片言ずつではあるけれど喋れたりするため、欧米人客からの、特に女性からの受けは良いので、それを鼻にかけて、客は引くけれどそれ以降の業務を怠る。
例えば、ある客を引き、ボートでシュノーケリングポイントまで運ぶところまではいいが、迎えに行かなかったり、約束した客が待っているのに家で寝ていたりする。その尻拭いをボート屋主人や他のスタッフたちがせねばならず、それに対してのお礼の言葉も謝る言葉も今まで一切彼の口から聞いた事が無い。そしてその全てに女性が絡んでいて、数年前には仲良くなった客のドイツ人女性を無理矢理酔わせ、彼女のシャレーに忍び込み...。翌日彼は準強姦罪で捕まり、数ヶ月間は本土の警察に拘留されていたのだけれど、こちらでの裁判は原告本人が出廷しなければ成立しないらしく、数ヶ月後には家族に保釈金を払ってもらい娑婆に出てきた。しばらくは島にも帰れず身内の保護観察下で働いてはいたのだけれど、それも長くは続かず、島に戻って来て再びボート屋で働き始め現在に至る。そして現在も詐欺まがいの手口で客ばかりか周りにまで迷惑をかける。


時間の経過の効力は時に良い方にも働けば悪い方にも働き、今の彼から、彼自身が何かを省みたか全く感じられず、ただでさえいい加減なマレー人という事を差し引いても目に余る言動や行動が多く、周りの人間もほとほと困っていたのだけれど、争いを好まないマレー人気質からか、誰も彼を諌める者もおらず、昨夜ボクとの約束を破った事もあり、丁度良い機会が巡ってきた。


日本語で怒鳴り散らしたので彼にはその意味すら解らなかったはずだけれど、ボクが真剣に怒っているのは周りの観光客のビビり様からも、彼にはしっかり伝わったようでその証拠に、反省するどころか、この数日間彼は開き直ったかのようにボクを無視し続けている。
ただ、彼は精神的に弱い人間なので、周りの仲間たちにも協力してもらい彼のための逃げ道は作ってはいる。あとは彼自身がその入り口を見つけられるかどうかの話だけれど、今日はボート屋主人の奥さんに金の無心をした後、島を出たらしく、30歳にも成って精神は中学生のこの男との付き合いをどーするべきか模索中な月曜日____。

灼けた素肌と線香花火

その赤を濃くしながら徐々に明るさを
失ってゆく様は線香花火の最後にも似て___。


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オカマ時々微熱のち体調不良

まったく不本意ではあるけれど、子供とオカマにだけはモテるという日々の中、毎晩、ボクのホテルと部屋番号を仲間に問うているオカマ旅行者の魔の手から逃れるべく、午前中に島を出た。


というのは冗談で、ホテルのパパに買い物に誘われたためだが、午前中に島を出て夕方には島に帰って来るまでのその殆どの時間を、パパの本土での副業のひとつである賃貸物件の工事材料購入に割かれ、
次々に資材店を巡るその度に、ボクはパパの運転するベンツの側で待つか、買いもしない資材を見て回るかして時間を潰す。
なるほど、パパは金持ちだ。本土に滅多に使いもしない豪邸を持ち、子供達にも島と本土に家を買い与えても尚、「金はもう十分だ。」というだけの事はある。だったらボクの宿代ぐらいタダにしてくれよと言いたいところだが、せいぜいAEONの馬鹿高いカルボナーラスパゲティをご馳走してくれる迄が、金持ちが金持ちたる所以なので、ボクも「有難う。」と言いつつ、ついでにこれまたバカ高いコーヒーシェイクを追加注文したりする。


本土の蒸し暑い熱気の中で待たされ続けたのが弾き金になったのか、島に戻った頃には、今迄の疲れが一気に出たかのように体調を崩し、一旦海岸には出たもののすぐに宿に戻り、晩飯も食べずに寝た。


午後9時過ぎ。目を覚ました後、薬を飲む為、作り置いていた麦茶を取りに部屋のドアを開けると、すぐ目の前のレストランの片隅で年老いたドイツ人の旦那と食事をしている例のオカマと目が合う。ホテルどころか部屋の入り口までバレた瞬間。お互いニコリと笑顔の挨拶を交わしたけれど、彼、いや彼女の笑顔が何処か「してやったり」的に見えたのは、こちらの体調が悪いせいだけだろうか。
今夜は下半身も含めて戸締りをしっかりして寝よう____。


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疼くんです

数日前から冷たい飲み物や熱いスープを
飲むと奥歯が痛むのだよ。
いや、なんだね。
海外での歯痛ほど憂鬱な事はないね。
あと1ヶ月半もの間、この憂鬱を抱えて
過ごすのかと思うと、未だクソ寒い日本に
帰りたいと初めて思った週明けの月曜日___。

そのキラキラに勝る者無し

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ボートの重い錨をブン投げたり引き上げたりする作業による背筋痛や、日中日差しを遮る物も無い海上での釣りによる軽い日射病を始め、バイクのマフラーで負ったふくらはぎの火傷や、知らぬ間に体のあちこちに出来た擦り傷のせいで、日々身体の何所かが痛んでいたりひどく疲れているのだけれど、カメラのファインダー越しに覗く子供達のそのキラキラした瞳が、その痛みも疲れも消してくれるひと時。
でもまぁ、そのあと必ず叩かれ蹴られたりするも、所詮は子どもの力。普段なら痛くもないのだけれど、たっぷりと砂の付いたサンダルで傷口を蹴られた日には、それはそれは奥歯を食い縛ったままの笑顔で子供達を追いかけ回し、結果、疲労困ぱいの昼下がり___。


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島唯一の日本人ビーチボーイとして

どんなにレベルの高い大学に行ってようが、どんなに給料の高い会社に勤めてようが、後進国だからと言って、ボクの仲間を見下すヤツなど、この島では山羊の糞ほどの存在価値もないのだけれどね。
それでも、自分のボート屋の客であろうがなかろうが、彼ら彼女らが万が一怪我などをしてせっかくのパンコール島の思い出が台無しにならぬよう、離れたボートの上から「其処の岩や貝殻で足を切らないように注意してね。」などと、一声かけてから、再びイカ釣りポイントに向けボートのエンジンをかける。


まぁ、長いことこの島に居ると視野の狭い日本人の1人や2人は出くわすわけで、それはそれで仕方ない。その逆に、たくさんの素敵な日本人の若者やご夫婦やご老人にも出会え、その方々がこの島で怪我やトラブル無く存分に楽しめるように、少しでもこの島が好きになってくれるように、ボクは今日もお節介をやく2月の終わり___。

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プロフィール

冨岡ツカサ
職業:旅人
もといミュージシャン
マレー語,小型ボート操船

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