ラウドネスのリーダーにしてドラマーの樋口宗孝さん、逝く...

今年春から肝細胞癌であることは知っていたし、具合も思わしくないことは、何となく知っていたけど、いざこのニュースに触れると残念でなりません。
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以前、ドラムマガジンという音楽雑誌の編集部で仕事をしていた頃、取材で何度か樋口さんにお会いする機会がありました。何しろ、取材前から「ひぐっつぁん (樋口さんの愛称)は、思いのほか"俺様オーラ"が出てる人だからね。インタビューとか、けっこう難しいかもよ」なんて編集部の連中に脅かされつつ、会い に行った記憶があります。実際に会ってみると、確かに俺様オーラがバリバリに出てた。でも、それも今にして思うと、何やかや言っても日本のハードロック・ シーンを牽引し続けている自負があったんだと思えます...
単発の取材だけでなく、樋口さんの連載ページを担当することになると、僕の名前も顔もしっかり覚えてくれて、毎月取材に行くたびに「おう、武田クンやん。 練習してるか?」なんて声をかけてくれました。僕がつのだ☆ひろの弟子であることを知ると「そんなら、これ、できるか? できるやろ?」みたいなことを しょっちゅう言われたりして... 僕の師匠とはスタイルもドラムに対する考え方も異なっていたし、僕は確実に☆師匠のエキスを吸収していたので、その場では 苦笑いしつつ「いや〜、できないっすね〜」なんて答えていたんだけど。

樋口さんを慕うプロのドラマーは数多くいる。雑誌の取材を通じて、いろんなドラマーさんとお会いしたけど、その中で何度も「樋口さんにお世話になっ て」という言葉が聞けました。普段の雰囲気はちょっと気難しい感じだったけど、傍から見ていても実に後輩の面倒見が良かったと思います。兄貴肌の気性で、 たくさんのドラマーから慕われていたんです。

ラウドネスのデビューアルバム『LOUDNESS』を買って初めて聴いた時の衝撃は、それはそれは大きかったもんです。「お〜〜! 日本にもこんな 骨太なハードロックバンドが出てきたんだ〜!」って。しかも、それが元レイジーのメンバーが作った作品と知って、ますます衝撃を受けたわけです。さっそく 1曲目の「LOUDNESS」をコピーして、当時在籍していた大学の音楽サークルで、拙いながらも演奏してみました。

オリジナルメンバーで復活した後、今年2月にリリースされた新作『METAL MAD』は久しぶりの快心作!と思っていただけに、本当に残念... 今だに樋口さんのプレイが進化しているのを痛切に感じられた作品だったんです。ずっとド ラムに対する研究心を持ち続けていた人だった... まさか、あのアルバムが遺作になるとは思ってもいなかった...

2年ほど前、パール楽器の創立60周年記念のイベントで、我が師匠と樋口さんの共演が実現したのだけれど、その時のステージで師匠に向かって「俺、 ホントはバリバリのつのだ☆ひろフリークなんですよ」って、照れくさそうに話しかけていた樋口さんを見て、何となく嬉しくなったことが思い出されます。☆ 師匠も、どこか照れくさそうで、それでいて嬉しそうで...
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いつもいつも、一番でなけりゃ気が済まない人でした...
いつもいつも、スタイリッシュな人でした...
威張ってるようで、実はけっこう優しい人でした...
日本のハードロックの伝説になってしまうには、まだまだ早かったと思えてなりません。

でも...

とにかく、樋口さん、お疲れさまでした...
最後まで突っ走りましたね。本当にお疲れさまでした。

ご冥福をお祈りします。